会社の金庫に入れていた受取手形(他社から受取った約束手形)を盗まれてしまいましたが、どうしたらいいでしょうか。

まず警察に連絡して、「被害届」を出すべきです。

正式な「刑事告訴」の手続をとることもできます(犯人不明のままでも告訴はできます。)

次に、支払銀行へ「事故届」を提出すべきです。

他社から受け取った約束手形については、当該手形の振出人にお願いして、振出人から支払銀行へ事故届を出してもらいます。

この事故届を提出すると、盗まれた手形を使って支払銀行への取立がされてきても、支払銀行は、盗難を理由として手形金の支払を拒否してくれます(手形は不渡になります)。

しかし、振出人が不渡り処分(銀行取引停止処分)を受けることを避けるためには、振出人が銀行に手形金と同額の「異議申立預託金」を納めて、銀行から手形交換所へ異議申立手続をしてもらう必要があります。

振出人にその旨予め依頼して了解を得ておくべきでしょう。

さらに、支払地の簡易裁判所へ「公示催告、除権判決」申立の手続きをしておくべきです。

除権判決が出ると、貴社は受取手形について、手形を持っていなくても権利行使(振出人への手形金請求)ができます。

但し、申立手続をしても、除権判決が出るまでには6ヶ月以上(少なくとも10ヶ月前後)はかかります。

除権判決が出る前に、流通に回ってしまった手形を第三者が重過失なく善意で(つまり盗難の事実を重過失なしに知らないで)取得した場合には、振出人はその第三者に対しては手形金の支払を拒めなくなります。

その結果、貴社は手形金を回収できなくなりますので、ご注意ください。