取引先に発注した商品が、納期を過ぎても届かないので連絡したところ、「破産手続開始決定が出た」と聞きました。まだ代金も支払っていませんが、どうすれば良いのですか。

取引先が破産手続を開始したとしても売買契約が当然に無効になるわけではありません。

ただ、本問の場合のように、破産手続開始時点で双方とも債務が履行されていない場合には、破産法は特別な規定を設けています。

すなわち、商品も納入されていない一方で、代金も支払っていない場合には、取引先の管財人は、その売買契約を(1)解除するか、(2)商品を引き渡し、代金の支払い請求をする(「履行の選択」といいます)か、いずれかを選択することができます。

破産管財人により(1)解除されれば、代金の支払いをする必要はなくなりますが、(2)履行の選択をされれば、商品の入手はできるものの、代金の支払いをしなければなりません。

一方こちらから売買契約を解除することはできませんが、破産管財人に対して、解除するのか、履行の選択をするのか、決めるように催告することはできます。

また、催告してから一定期間過ぎても破産管財人が選択しない場合は、解除したものとみなされます。

なお、代金を全額前払いした場合は、双方未履行というわけではありませんので、解除の問題は発生しません。

この場合、商品引渡請求権は破産債権となり、金銭債権と評価した上で、破産手続に参加し、配当を受けることになりますが、通常、全額回収は困難です。

今回のご相談は売買契約ですが、賃貸借契約や請負契約などの処理については、破産法や民法により、さらに特別な規定が設けられていますので、詳細は弁護士等に相談してください。