株主代表訴訟とはどのようなものですか。

株主代表訴訟とは、会社が取締役の責任を追及する訴えの提起を怠っているときに、個々の株主が自ら会社のために取締役の責任を追及する訴訟です。

取締役が会社に損害を与え会社に対して責任を負う場合は、本来、会社がその責任を追及すべきで、訴えによってこれを追及するには、原則として監査役が会社を代表して訴えの提起を決定します(小会社を除く)。

しかし、実際には、取締役と監査役、取締役相互間のなれ合いから会社が積極的に取締役の責任を追及することは期待できない場合が多いのではないでしょうか。

それでは会社の利益が害されひいては株主の利益が害されてしまいます。

そこで会社法は、個々の株主は、株主代表訴訟によって会社及び株主の利益の回復を図ることができる、としたのです。

平成5年に訴訟費用が8,200円でよいことが明文化されるなどの改正が行われたことや、企業の不祥事が相次いだことから、株主代表訴訟は激増しました。

なかには大和銀行事件のように取締役におよそ830億円もの賠償を命じる平成12年の大阪地裁の判決も出されました。

以前から取締役の責任軽減についての要望は強かったのですが、この判決を契機に軽減措置を求める議論が加速し、平成13年の商法改正により、取締役の責任が軽減されました。

すなわち、株主総会の特別決議、定款の定めと取締役会決議、もしくは定款の定めと社外監査役との責任限定契約により、代表取締役で報酬等の6年分、社外取締役(及び監査役)で2年分、それ以外の取締役は4年分まで責任を軽減できることにしたのです。

このように取締役の責任が軽減されたとはいえ、手続きが複雑で厳格なうえ、軽減を申し出ること自体、責任を認めるようなものですから軽減制度を利用することは現実には少ないとも考えられます。

最近では、コーポレートガバナンス(企業統治)と、コンプライアンス(法令、ルールの遵守)が企業にとって重要なキーワードになっています。

株主代表訴訟を起こされることがないように、すなわち法令(善管注意義務や忠実義務などの一般条項も含む)や定款に違反することがないように企業運営を行う必要があります。