1年以上前に取引先に商品を販売しましたが、何度請求書を送っても代金を支払ってくれません。どのような点に注意が必要でしょうか。

最終的には強制執行で回収せざるを得ず、その前提として訴訟を提起して判決を得たり調停を申し立てて調停を成立させたりするなどの手続をとる必要があります。

この売掛金請求の訴訟を提起する際の注意点は「消滅時効」です。

会社や商人の売掛金の消滅時効は大変短く、例えば、請負工事代金の時効は「権利を行使できるとき」から3年であり、商品代金は2年、運送賃は1年です。

請求書を送り続けるだけでは時効は中断せず、訴訟提起や調停申立等をしなければなりません。

ただし、時効期間満了前に「催告」をした場合には6ヶ月時効が延びます。

例えば、平成23年2月10日に「翌月月末払い」の約束で商品を販売した場合、平成23年3月31日が支払期限となります。消滅時効期間である2年が経過した平成25年3月30日が過ぎると、売買代金債権は時効消滅してしまいます。

しかし、平成25年3月29日に「催告」が取引先に届いていると、6か月後の同年9月28日までに訴訟を提起すれば時効は中断します。

催告による暫定的な時効延長は1回だけですので、6か月ごとに催告書を送っていても、同年9月28日までに訴訟提起しなければ消滅時効となってしまいます。

催告は、後の証明のため内容証明郵便(配達証明付)で行うのが良いでしょう。

勝訴判決が確定したり、調停が成立してもなお相手方が支払わない場合には、相手方の財産に対して強制執行を行うことができます。

「支払督促」の制度も有用です。

債権者の申立があれば、簡易裁判所は、債務者の反論を聞くことなく「支払督促」を発します。

所定の期間内に債務者から「督促異議の申立」がなければ、債権者は、仮執行宣言の申立を行って、強制執行をすることができます。

督促異議の申立があれば、通常の訴訟に移行します。

以上の手続きを経て強制執行ができるようになれば、改めて裁判所に強制執行を申し立てて取引先の財産を差し押さえ、これを金銭に換えて回収することができる場合があります。

差し押さえる対象として一般的なものは取引先の預金、不動産、売掛金債権などです。

詳しくは、弁護士にご相談下さい。